ずっと気づかなかっただけ。

タケくんはどんどん進んでくのに、

チカくんが書いてくれたメモを見ながらチマチマ進む私。

「水瀬先輩は頭いいの?」

「チカくんは2年生で2番だよ!1番はクマさんなんだって!勝てないって言ってた!」

「へー、そんな頭いいのか…なのに、」

「なのに、何?もー!ひどい…」

『なのに、』の後に私の方を見てくるから、

言いたいことを察する。

だって、お父さんもお兄ちゃんもよくやるんだもん。

自覚あるから頑張ってるのに、

半分以上に行けず、半分より下なんだよね…

なっちゃんなんて中学もずっと一桁だし、

太一もおんなじくらいだったなぁ。

はぁぁ、

「まぁ、なんとかなるよ、たぶん」

タケくん、フォローになってないよ…

「あ、」

「ん?」

太一に言ったんだから、タケくんにも伝えないと。
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