ずっと気づかなかっただけ。

チカくんが噛み付くようにキスしてきて、

どうすればいいかわからない。

わからないけど、

怖さなんてなくて、

ドキドキバクバク止まらなくて、

チカくんに応えたくて、

夢中になる。

「チカっ、く、」

「口あけて。舌だして。」

言われた通りに、

口を開けて、おずおずと舌を出すと、

チカくんがそれを捕まえるから、

思わず腰が引ける。

「真白、怖い?」

チカくんの声に、答えようと、頑張る。

「こわく、ない、チカくん、好きっ」

「っ、」

息の仕方が分からなくて、

苦しくなってきたら、

「鼻で呼吸しな。いつも通り。」

って言われて、

いつも通りってなんだけって思いながら、

チカくんしか考えられない頭で必死に頷く。

「…あー可愛い。止まんない。」

チカくんの目が熱っぽくて、

口から溢れたようにその言葉をだすから、

ただでさえいっぱいいっぱいで熱い身体が、

燃えるように熱を持つ。
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