ずっと気づかなかっただけ。
「届いた日もみたけど。」

「そうだけどそうじゃないじゃん!ちゃんとみて!ほら、今日は髪の毛もちゃんとセットしたし、スカートの長さも違うし!スクールカバン 付きだよ?」

そう、同じ高校に通えるのが嬉しくて、

合格者説明会で制服のサイズ合わせした時も写真を送ったし、

家に制服が届いてからもすぐに着替えて、

朝と同じようにチカくんの部屋に侵入したのだ。

まぁ、反応は塩対応だったけど。

「どう?似合わない?」

あまりの反応のなさに少し寂しくなる。

「…いいんじゃない?」

え!

「チカくん!何て!?もう一度お願いします!」

「…うるさい、おいてくぞ。」

「え!ちょっと待ってよ!」

慌てて後ろをついていく。

もう一回くらい言ってくれてもいいのに!

そう思いながら横並びで電車を待ってると、

「真白、この時間人多いから離れるなよ。」

チカくんが声をかけてくれる。
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