ずっと気づかなかっただけ。

「あと、もう1人は…名前なんて言うの。」

「竹内です！」

「ん、そか、竹内くんもありがとう」

「タケくんがね、今日連れて行ってくれたの！太一のお友達なんだって！それで「あーわかったわかった。」」

チカくんは私の話を遮って、

頭をぽんぽんしてくれる。

話し足りない！

だって1週間も会えなかったんだもん！

「帰るぞ。」

一通り、謝ってお礼を言ったチカくんはいつも通り歩き出す。

「あぁ！待って、チカくん！」

私は慌てて、

いつものようにチカくんのリュックの紐を掴んで慌ててついていく。

「なっちゃん、太一、タケくん、今日はありがとう！楽しかった！また明日ね！」

手を振って振り返りながら歩いてると、

チカくんがいつの間にか改札を通ってて、

続いた私の前で改札の扉が閉まる。

「いたっ！なんで！」

「いや、バカ…定期かざせよ…」

「そっか！」

チカくんが半ば呆れながら言う。

そっか！

お礼とバイバイ言うのに夢中になってた！

慌てて、チカくんから手を離して定期を出して、

かざして、

またチカくんのリュックを掴む。