ずっと気づかなかっただけ。
「真白。それ、禁止したはずだけど?」

「だって寂しかったもん。なんでダメなの?いっつもチカくんに飛びついてるじゃん。」

「飛びついてる自覚あったのか。飛びつくのもいつもやめとけって言ってるけどね。」

「うー、けちー、なんでチカくんにくっついたらダメなの?」

そもそもだ。

「あのな、幼なじみでもこの距離感はおかしいの。」

「じゃあどうしたらこの距離感許してくれるの?」

何も考えずに言った一言。

チカくんが黙る。

突然変わった空気に、少しびっくりして。

「…ごめ、」

チカくんを怒らせたと、

謝って離れようとすると、

チカくんが私の腕を掴んで、

こっちを向く。

「真白が俺の彼女になってくれるなら。それなら好きなだけくっついていい。」

「…チカくんの彼女…」

繰り返した言葉。
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