ずっと気づかなかっただけ。
チカくんのおかげで満員電車を無事降りることができて、

ふぅーっと一息ついてると、

チカくんが私の手に自分のリュックの紐を握らせる。

「改札まで人多いから、頼むから迷子にならないで。」

「な、何回も来たことあるし迷子にならないよ!私だって高校生だもん!」

反論すると、

だといーけどって笑う。

あ、笑った。

きゅーん。

チカくんにいつもだる絡みしちゃうから、

冷めた目で見られることが多い…

笑顔はとっても貴重!

今日はもうこれだけでハッピーな日!

ルンルンしながら言われた通りに、

リュックの紐を持ってついていく。

改札を出ると、

今着てるのと同じ制服と、少し前まで着ていた制服、もう一つ真っ黒な学ランの人たちで溢れてる。
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