黒崎先生、質問です
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その週の週末、わざわざお店に足を運びいつもの店の奥の席に座り、ケーキセットを頼む。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
「一昨日彼ら来たわよ」
「え?」
あの人たち今日も来たんだ。
「今日も来るといいわね」
奥さんはそう言うと鼻歌を歌いながら離れて行ってしまった。
まるで、私が彼らに会いたくて今日来たみたいじゃん。
否定はしないけど、それだけが理由じゃないもの。
ここが落ち着くから来たのであって…てこんな風に必死に理由を並べるとあの人に会いたくて仕方ないみたいじゃん。
「美味しい」
そんな考えは今は消してしまおうと、私は糖分を摂取した。
それから30分が過ぎた頃、お店のドアに取り付けられた鈴が店内に鳴り響いた。
無意識に振り向いて視界に入ってきたのは、若い男性2人。
例のあの人だろうか。
気になりつつも確信がないので、そわそわしつつも席から動かない。