【完】傷だらけのプロポーズ
…おいおい、一体どういう関係だよ。 真澄はティーカップに口をつけて、唇を尖らせてふぅふぅと息を吹きかける。
それにしても可愛らしい女だ。
昨日はシャワーも浴びずにメイクも落としていない筈だが、顔面偏差値がとてつもなく高い。 そもそもあんまりメイクをしていなかったのか。 寝起きだとも思えない。
「もぉー、忘れちゃったんですか?年明けの会社のパーティーで先輩にしつこくされてる時に助けてくれたのが、小田切さんだったんですってば。
朝比奈さん言ってたじゃないですかあ。美麻はそういう正義感のあるタイプだって」
「あー…そんな事言ったような言っていないような」
「15年間腐れ縁で一緒で、マンションまでお隣同士だって」
昨日の俺ぇ。何を余計な事をよく知りもしない女に得意になってベラベラと喋ってやがる。
「でも、あんな突然お酒飲みだすからびっくりしちゃった…。
覚えています?パーティーの日、小田切さんが私を庇ってくれた後、うちの副社長と小田切さんが消えちゃったって話をしたら、朝比奈さんいきなり一気始め出すんですもん」