【完】傷だらけのプロポーズ

「ねぇ、美麻って本当に夏樹の事好きじゃないの?」

「は?!?!朝比奈の事は当たり前に嫌いじゃないけど…。だって15年も一緒にいた友達だよ」

そりゃあ、そうだ。 私は朝比奈が好きだ。

これから長い人生、誰か男の人と付き合うかもしれない。けれど、朝比奈のような男友達はきっともう出来ない。

「夏樹の事、男として見た事ないのって聞いてるの。 …私は夏樹と美麻お似合いだと思うけどな~。卓だってそう言ってるよ?」

「…冗談止めてよ。大体朝比奈が私を女として見てないのは奈子も卓も昔から知ってるよね?」

「そんな事ないと思うけどね…。つーか、私は美麻の気持ちを聞いてるんだけど」

「朝比奈と付き合いたいとは思わない。考えた事もない」

「朝比奈に彼女が出来る度に私に愚痴を言いにくるくせに?」

「愚痴じゃないもん!ただの世間話だしッ。 それに誰かと付き合いたいとか今は考えてない」

「昨日話してたハーフの副社長も…?」

「そ、それは…。 と、とにかく私忙しいから電話切るからね。 これからスキンケアとかしなきゃいけないから」

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