【完】傷だらけのプロポーズ

「だって他人事だし…」

「そりゃそーかもしれないですけど。 真澄ちゃんって絶対エリートと結婚してやるって同期の子に言ってたみたいですよ?上昇志向が強い子なんですって!」

「へぇ、いい事じゃん…」

「もぉ、美麻さんったらしっかりしてくださいよッ。らしくないなあ~…。」

だって朝比奈の事だし、真澄ちゃんと朝比奈が付き合おうと彼女が上昇志向の強い女性であろうと関係ない。

難しく考えていたら頭が痛くなるから、考える事はもはや止めた。

朝比奈は大切な人。 だからせめて朝比奈が選んだ人と幸せになろうとしているのならば、背中を押してあげられる人間になりたい。

心には思っていなくとも、せめて上辺だけだろうが。

「確かに朝比奈さんは仕事も出来るし、若いのにうちの外商なんて勤めちゃうエリートかもしれないけど、言ってしまえばそんな人腐る程いるじゃないですか。
真澄ちゃん言ってたらしいんです。 顔がタイプなんだって、連れてて恥ずかしくない男だからって
嫌な女じゃないですかあ?まるで年収と顔で朝比奈さんを選んだみたい…!」

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