【完】傷だらけのプロポーズ

「これ…!一体なんで…」

「俺からのプレゼント」

「こんな高価なプレゼント頂けませんって…!」

「このプレゼントと共に一緒に行って欲しい場所があるんだけど…」

「一緒に行って欲しい所…?」

大河さんの笑顔の先の、少しの困り顔。 彼が素敵なプレゼントと共に連れ出してくれた場所は、シンデレラもびっくりの驚きの場所だった。

―――――

「結城社長おめでとうございます…!」
「社長!お誕生日おめでとうございます!」

都内のホテルの一角で開かれていたのは、結城社長の誕生日パーティーだった。 年明けの会社の新年会が行われたホテルと同じだ。 どうやらここのホテルチェーンの社長と結城社長は顔なじみらしい。

LILI BULEの上層部の人間から、テレビで見たことのあるような有名人、業界人が集まった豪華なパーティーだった。

真っ赤なルージュを唇に乗せて、それとお揃いの真っ赤なロングドレス。 年齢を感じさせないボディラインと綺麗な顔。改めて見て本当に美しい人だ。

そして何よりもオーラがある。 成功者が持つ独特の空気感。そしてそれは自信から満ち溢れているものだ。

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