【完】傷だらけのプロポーズ

近頃は作り笑いをしなくても自然に笑えている気がする。
恋とはやはり偉大なのだ。

そこに安心感があると自然と笑みがこみ上げて、いつもより人に優しくなれる気がする。

私にとっては久しぶりの恋は精神的にも肉体的にも安定感を与えていた。 やっぱり大河さんと付き合ったのは正解かも。

これでぐちぐち朝比奈の新しい恋人の事や、朝比奈が結婚してしまうかもしれないという不安を考えずに済むのだ。 


15年一緒に居たとしても、私と朝比奈は違う人間だ。
そろそろ潮時かもしれない。

私は私の人生を、朝比奈は朝比奈の人生を

ずっとそれぞれの人生を歩んでいたつもりだけど、私だけどこか朝比奈に依存していた部分があったのかもしれない。

―――――


「んー久しぶりだなあ、こんな自然に触れるのは、気持ちが良いね」

「ええ、すっごく。 晴れて良かったですね。」

たまたま土曜日に休みを取れる日があって、その日は午前中から大河さんとデートをしていた。
デートらしいデートなんて久しぶりだ。

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