【完】傷だらけのプロポーズ

「あ、お祭りって言っても二人で一緒に行った訳じゃあないですからね。 共通の友達が多いんです。だから皆で」

「うん。分かってる。でも妬けちゃうな~。美麻ちゃんと朝比奈くん、本当に仲が良いよね」

「だから、妬いちゃうような事はないですって。15年も腐れ縁なんです。だから、そういった思い出が沢山あるってだけで…」

「これからは俺と一緒に思い出を作ってこ?
結構余裕ぶってる所あるけど、嫉妬深いんだ。 大人げないだろ?」

ぶんぶんと首を横に振る。 大人げない事なんて、ない。

誰だって自分の彼女が友達であろうと他の男の話を口にするのは嫌がるだろう。 大河さんは笑みを崩さずにずっと大人の対応をしてくれていたと思う。

私が悪い。 何でもかんでも朝比奈に結び付けてしまって、けれど何故なんだろう。


今まで付き合ってきた彼氏は数人いた。
けれども私の生きて来た28年の大半が朝比奈で占めている。

どこに行っても、何をしてても、常にその傍らに朝比奈は居てくれた。  そんな事デート中に考えちゃいけないのに。

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