【完】傷だらけのプロポーズ

「おい、美麻台所借りるぞ」

「は、はい!どぞ。」

「何だその態度、気持ち悪ッ。今日は仕事も忙しくて疲れているのに終わって早々美麻のしけた面を見なきゃいけないなんてついてない日だ」


毒舌も可愛くない態度も変わりはしない。
あの日大河さんと一緒に居た時に見せた朝比奈の態度は一体何だったのだろう。
けれど、変わらずに接してくれている事に安心してる自分がどこかに居る。


大切過ぎて、壊したくなかった。
壊したくなかったから、自分から離れたのかもしれない。
それでも朝比奈は変わらないで居てくれる。


「何?何か作るの?」

「おう、サラダ。材料はスーパーで買ってきた。
ピザやらチキンやら食ってお前や奈子が豚にならないようにな。
俺に感謝しろ」

「あ!私の好きなトマトとモッツアレラの奴だ!」

「大概の女はトマトとモッツアレラが好きだろう。 お前は全部が自分中心の世界線だな」

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