【完】傷だらけのプロポーズ
「ええ、仕事の関係者や友達の内輪だけのパーティーなんだけど朝比奈くんにはお世話になっているし、是非来ていただきたいわ。
仕事上、役に立ちそうな人脈も広がりそうだし、私のお友達のお金持ちの人間を紹介したいわ」
それは魅力的な話だ。
内輪のパーティーとはいっても、この人の事だ。やたら派手なパーティーには違いない。
しかし人脈作りも俺にとっては大切な仕事。断る理由はない。
「実は、私の息子が付き合っている彼女を連れてくる様なの。だから今から楽しみで」
「付き合っている彼女…さんですか…」
ぴくりと頬が引きつって行くのが分かる。 そういえば美麻が言っていた。 結城社長のホームパーティーに誘われているって。
あの二人が一緒に居る所なんて、見たくないのに。
「ええ、この間私の誕生日パーティーに彼女を連れて来たのだけど、可愛らしいお嬢さんだったわ。
LILI BULEの社員ってのにもびっくりしたけど、あの子は昔から私とは違って誠実で堅実な男なの。
だから遊びで女性と付き合うような事もしないし、選んだ女性を見ても真面目そうで性格の良さそうな子だったわ。 あの子らしいなって思って」