【完】傷だらけのプロポーズ
「へ、へぇー……それはそれは…。それにしても副社長普通の女性と付き合ったりするんですね…。」
「普通?」
俺の問いかけに、不思議そうに結城社長は目を瞬かせた。
「僕にとっても結城社長は別の世界の人間って感じですから…。
大河さんだってLILI BULEの次期社長でしょう?
お付き合いだけならまだしも、結婚となると話は別なんじゃないかな…って」
それは俺の願望だったのだけど。
この期に及んでもまだ、結城大河と美麻が付き合っている事を受け入れられないなんて、なんて女々しい男だろう。
俺の言葉に結城社長は声高らかに笑った。
「嫌だわ、朝比奈くんって意外にお固い考え方をする人なのねぇ。
私は自分の息子がどんな女性とお付き合いしようと結婚しようが、そんなのどうでもいいの。
大河が決めた人なら、お互いの気持ちが一番大切でしょうし。 まあ、一つだけ言う事があるとするのならば、女は綺麗に越した事はないけどね」