【完】傷だらけのプロポーズ
にこにこと笑顔を崩さずに俺の選んだお店を褒めてくれる彼女は、客観的に見れば可愛い。
周りからも一目置かれるほど容姿は美しい。 そして彼女自身もそれを分かっているのだろう。 だからここまで強気になれる。
「まあ…実家の事は置いておいて…
真澄ちゃん、今度の金曜日の夜空いている?」
「金曜日?全然空いてます!むしろ朝比奈さんの誘いなら無理やり空けるし」
「は、ハハ。あっそう。実はLILI BULEの結城社長からホームパーティーに誘われてるんだけど、一緒にどう?」
格好悪い男にはなりたくなかった。
今更になっても往生際悪く、自分が惨めになる事だけは避けたかった。
みすみす美麻と結城大河の幸せそうに並ぶ姿を見たくない…! 自分もパートナーの一人でも連れていれば、恰好がつく。
真澄の気持ちを利用してしまう形にはなってしまうが、俺の誘いに彼女は目を輝かせた。
「行きたい!嬉しい!
さすがは朝比奈さんですよねぇ、あの結城社長のプライベートのパーティーにお呼ばれするなんて。
うわあ、私結城社長にも憧れてるから、すっごく楽しみなんですけど」
「あ…そう…」