【完】傷だらけのプロポーズ
「…美麻は気にしてる事かもしねぇけど、俺には全然気にならねぇよ。
お前の顔のあざごと、全てお前だ。
逆にそのあざがねぇと、こっちはお前が見つけられにくくて困る。
だから大丈夫。気にするようなものではない」
メイクは魔法だ。 メイクに出会った事を心から感謝している。
ファンデーションに、コンシーラー、ひと時とはいえ、私の顔の醜いあざを見えなくさせてくれる。
けれど私にとっての本当の魔法は、朝比奈の’大丈夫’という言葉だったかもしれない。
15年前、初めて朝比奈と出会った時から私はずっと救われていたのかもしれない。