【完】傷だらけのプロポーズ
「どうしても朝比奈に伝えたくって。 あのね、ずっと朝比奈に助けられてきたの。
私は自分が嫌いで、自分の顔が嫌で嫌で仕方がなかった。
すっごく醜いと思っていた。 どうしてもこんな自分を愛せずにいたの。
それでも生きて来られたのは、朝比奈がずっとずっと一緒に居てくれたからなの。 朝比奈が私の見て欲しくない物は見ない振りをしてくれて、私の傷跡をずっと庇い続けてくれたからなの」
自分で言っていて、涙が止まらない。 そんなの、変なの。
目の前で動きを止めた朝比奈が少しだけ戸惑っているのが分かる。
本当はずっと知っていた。 朝比奈、大好き。朝比奈だけが私の中で特別で、どうしても手放したくない存在。宝物みたいな人だった。
「俺は別に…そんなつもりじゃあ…」
「朝比奈がそんなつもりじゃなくっても…私、本当に嬉しかった…。
朝比奈が側に居てくれたから、救われていたの…
ありがとう。本当に今までありがとうね……」