【完】傷だらけのプロポーズ

「何だよ、そんな別れみたいな言い方して…。 あのさ、お前が結城大河と付き合ってても、いずれ…結婚したとしても俺らの関係は何も変わんねーよ。
俺は美麻が辛い時は絶対に側に居てやるから…
だから…そんなさよならみたいな言い方すんな…」

変わらない関係を望んでいた。 それと同時に変わらないこの関係が嫌だった。
朝比奈の彼女になる人が羨ましかった。朝比奈に彼女が出来る日は寂しくって仕方が無かった。

友達以上で家族未満のようなこの関係を言い訳にして、今まで自分の気持ちに嘘をつき続けていたの。

もう、嘘はつきたくない。
きちんとけじめをつけて、自分の中にあった想いを伝えたい。

それが朝比奈と離れる結果になったとしても、私もいい加減前に進みたい。

自分の気持ちに正直に生きる事が出来るようになったら、たとえ朝比奈が居ない日でも笑える。

 朝比奈が側に居てくれない日が来たとしても、素顔の自分を好きになってあげられるような気がするから。

「じゃあ、行くね」

「おい、美麻…! ちょっと待てよ!俺、お前に話が!」

「私も朝比奈に言わなきゃいけない事がある!でもその前に大河さんにちゃんと話してこなくちゃ!」

「おいってば…!おいーーーーー!!!!」

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