【完】傷だらけのプロポーズ
医療も発達しているし、そのあざだって消せる。 大河さんらしい言葉と優しさだと思う。
そうなのだ。
レーザー治療は昔少しだけした事があったっけ…。あの頃は幼くて痛くて、途中で止めちゃったけど。
本当のコンプレックスを消す為ならば、発達した医療を利用して治療をすれば根本の原因は消せたかもしれない。
がしりと肩を掴んで、大河さんが真剣な眼差しを向ける。 もう大丈夫だ。だって無理をせずに笑っていられるから。
「ありがとう、大河さん。やっぱり大河さんは優しいね」
「…美麻ちゃん。俺本気だよ? 美麻ちゃんの為だったらどんな優秀な医者でも見つけてあげる」
「嬉しい…」
「じゃあ、俺と……」
「でも、そのお話はお断りさせてもらいます。 …ごめんなさい」