【完】傷だらけのプロポーズ
「えー…何よ今更。 ………そんなの、ずっと知ってた!」
「知ってたっていつから?」
「出会った頃から知ってたよ~。美麻なんてずっと夏樹の事大好きじゃん。
夏樹って周りから名前かあだ名でしか呼ばれないのに、美麻ずっと’朝比奈’って呼び続けてさー
独占欲じゃんかねー。あんた、ずっと自分だけは夏樹の特別でいたいって思ってたでしょう?」
「確かに、言われてみれば…。でも出会った時から朝比奈は朝比奈だし…
今更夏樹なんて名前で呼ぶの照れくさいし」
「まー何にしても自分の気持ちを自覚してくれて良かったよ。 卓もずっと心配してたしさあ」
「卓も?!知ってたの?」
「知ってたも何も傍から見ればバレバレなんですけど…。
学生時代いくら仲良いって言ったって、普通社会人になってまで隣のマンションに住む必要はないでしょう。
お互い離れたいってなったらどちらかが離れていくもんだし、さ。で、用事は一体何なのよ」