【完】傷だらけのプロポーズ
なんて女々しい男だろう。 就職をしてからは、勝手に結婚資金を貯めて付き合ってもいないのに結婚指輪を購入する。 軽いストーカーだ。
奴には副社長という地位に着いた立派な彼氏がいる。
「俺の可愛い美麻が…他の男に取られてしまう…!そんな世界線を生きて行く自信はねぇーーー!」
「マジでうっさい。電話越しで大声出すな。だから高校時代から言っている事でもう言い飽きてるんだがな…
美麻に素直に好きで堪らないと言え。 こじらせすぎるのもいい加減にしろ。付き合いきれねー…」
「お前…!親友がこんなに苦しんでいるのに酷いぞ?!」
「ほんっと…!お前も美麻も傍から見てると苛々するわ。いい加減気づけ。
どうしてお前は自分の気持ちにはそこまで敏感で潔癖症なくせに、相手の気持ちに気づけない?
美麻はお前がずっと好きなんだ。何で俺がこんな余計なお世話な事をわざわざ口に出さなきゃいけない」
「美麻が、俺を好き…?」
はぁーーーーーーーーとおもっ苦しいため息が電話から響いてくる。