【完】傷だらけのプロポーズ

「１５年間も待っていたなら、今更遅いなんて事ないんじゃないのか？」

「１５年……」

「１５年前に生まれたガキはもう高校生になっている。
それ位なげぇ歳月を飽きもせずに一緒に居れたなら、これから先は何だって出来るんじゃねぇかって俺は言ってるの。
結城大河とやらの所に行ってたとしても、取り返すくらいの男見せろよ。
鳥肌が立って言いたくはねぇんだけど、それがお前が言う美麻に対する愛って奴なんじゃねぇのか…？
なあ、夏樹…お前がどれだけ美麻を大切に想ってるかなんて俺はずっと知ってる。　俺が知ってるんなら、隣に居た美麻だって分かってるはずだぞ？」

１５年は長い様であっという間だった。　どんな時でも隣で笑ってくれていたら嬉しかった。

そうやって何となくどれだけ歳を重ねても一緒に居るものだと思っていた。　まだ遅くないと言うのならば……

「付き合いきれん。俺はこれから用事があるんだ。　自分の事は自分で決めろ。　うじうじ悩んでいる暇があるなら、お前にはやるべき事がある」