【完】傷だらけのプロポーズ
「私も夏樹くんみたいなかっこいい子が義理の息子になるなんて嬉しい…!
みーちゃんと私はずっと親戚になりたいねぇ、って話をしていたのよ。 あー…結婚式が楽しみだわあ…
ねぇ、みーちゃんどこの式場で挙式を挙げる?!」
「お父さんに報告したらびっくりしちゃうわあ…!うちのお父さん夏樹と一緒で本番に弱いから親族代表の挨拶で倒れちゃうかも?!」
「あらあ、そんな事言ったらうちのパパだって心配よぉ。美麻とバージンロード歩くなんて涙で歩けなくなっちゃいそう!
パパってば美麻は独身主義で貫くんだって言い張ってたもの。 子供はいつまでも子供じゃないのにね」
卓にしても、奈子にしても、この母親共にしても、どうしてこうなる結末を知っていて何も言わずにいたんだ?!
そのお陰で俺は15年間も遠回りをしてしまった。 二人の反応に思わず拍子抜けしてしまって、美麻と互いに顔を見合わせ笑う。
自然と手を繋いでいるものだから、そんな俺達を見て母さんとおばちゃんはニヤニヤと笑っていた。