【完】傷だらけのプロポーズ
私も初めてデパートの化粧品カウンターに来た時緊張したものだ。
でもあの頃働いているBAさんは若かった私には、キラキラとしていて輝いても見えた。
「あのー…私、デパートのコスメを買うのは初めてでッ…。LILI BULEにはずっと憧れてたんですけど、沢山ありすぎて迷っちゃう」
へへっと笑う彼女を、昔の自分と重ねると微笑ましい気持ちになる。
「お探しなのは、アイシャドウでしょうか?」
「はい。雑誌で見てて憧れてて。 やっぱり無難にブラウンが良いんでしょうか?」
「そうですね、ブラウンはどんな場でも使いやすい色ですけど…
お客様はイエローベースの色白ですので、おすすめはオレンジです。
元気な印象にもなりますよ。 こちらのパレット、新作でおすすめです。」
四色入ったパレットを差し出すと、彼女の瞳はキラキラと輝いた。
「わぁ、可愛い色ですね。」
「よろしかったらつけてみますか?手の方に出すとこんな感じの色味なんですけど、目元に乗せるとまた違って見えますので」