【完】傷だらけのプロポーズ

「私は佐江ちゃんの顔の方が可愛いと思うけどね。肌とか真っ白だし」

心からの本音だ。 佐江ちゃんの肌はお人形さんのように透き通っていて、シミ一つない程美しい。

そう言うと、へへッと少し照れくさそうに笑う。

「美麻さんだって、肌綺麗じゃないですかあ~。
でも肌だけは丈夫に産んでくれた親に感謝しないとですねッ。
どんなに綺麗にメイクしようとしたって、お肌が汚かったらそれだけでやる気なくなりますもん~」

佐江ちゃんが悪気なく放った一言が胸をぐさりと刺す。
その言葉には曖昧に笑う。



新年を迎えるにあたって開かれたパーティーは大手ホテルの一角を貸し切り、LILI BULEの全社員や関係者各位が集められた。

派手な演出が大好きな女社長。

今日の為に用意されたというスワロフスキーで社名を入れられた高級シャンパンがテーブルに並ぶ。

鮮やかなドレスを身に纏う妖艶な結城社長を中心に、彼女を取り巻く取締役達が派手にシャンパンを開けていく。

女王は皆の輪の中で満足気に笑う。

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