【完】傷だらけのプロポーズ
03「副社長とずっと一緒に居てくれた人。」

03「副社長とずっと一緒に居てくれた人。」




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今から10年以上前
高校は少し学区内から離れた進学校を選んだ。

電車とバスを乗り継いで1時間半。 少し遠いけれど、余り自分の過去を知らない人達と新しい生活を始めたくて勉強を頑張った。

そして高校に入学をしたと同時に嵌められたと感じたものだ。

『…どうして同じクラスに朝比奈の名前が…』

桜が舞い散る4月に衝撃の事実を知る事になる。
中学校も結局3年間同じクラスだった。呪われていたとしか思えない。

志望校を聞いた時は確かに別の高校だったはずなのだ。 しかし何故か中学3年間苛め抜かれた朝比奈の名前がそこにはあった。

『俺から離れられると思うなよ』 そう悪魔のような恐ろしい言葉を入学式に浴びせられた。

大体ここは進学校だ。 私は部活もやらずに勉学に励んだ。 しかしサッカー部のエースとして活躍していた朝比奈はいとも簡単にこの高校に受かってしまったのだ。

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