【完】傷だらけのプロポーズ

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結城大河は、宣言通り東日百貨店に顔を出す機会が増えた。

あの日から彼が私を訪ねLILI BULEに来る事はいつの間にか店舗では名物行事と化してしまった。

相変わらず拒絶を決め込んでいた。 けれど彼は中々にしつこかった。

「美麻ちゃん、ランチ行こう」
「申し訳ありません。今日はスタッフとミーティングしながら休憩を頂くつもりですので」

「今日仕事終わったらご飯食いに行かない?」
「夜から予定がありますので」

これだけ断っているのに、寧ろ面白がっているみたいで

お店に来るたびに店舗のスタッフと仲良さそうに話している。 …つーか自分の仕事をきちんとしなさいよ。

断ってもしつこくしつこく、それはまるであの頃の達也先輩みたいだった。 あの時だって結局折れて付き合う事になったけれど、あのざまだ。 私はもう素顔の自分を他人に見せるのにはウンザリだった。

「一回くらい誘いに乗ったっていいのに」

土日の開店前の準備中、ぼそりと佐江ちゃんが呟く。

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