【完】傷だらけのプロポーズ
「お前らは普通の関係じゃねぇから15年も友達やってんだろうが…。美麻は鈍感すぎだし、夏樹は素直じゃなさすぎ…
てゆーか、土曜日に何が悲しくてお前の家で飲まなきゃならないの…?」
「俺の家じゃなきゃいつ美麻が帰って来るか分からないだろ…! どうしよ……もしもあの副社長に食われてたら
なあ、今日帰って来ないとかないよな?!?!」
「さぁね、美麻もその副社長とやらももう大人なんだからその可能性は大いにあるんじゃないか」
「ないって言ってくれ! 頼む!卓!
そうじゃなきゃ俺のメンタルが持たない…!」
「そんなの知るかよ!美麻に連絡取れよ!」
マンションに帰って来て、いても経っても居られずに高校からの親友の 小早川 卓を家に呼んだ。
家に行くのはめんどくせぇ、外で飲もう、と言われたけれど、外で飲んでいる間に美麻が帰って来たら大変だ。 いや帰って来なくても大問題なのだが
ベランダの窓から外を見つめる俺を、呆れるように卓は見つめる。 ソファーに腰をおろして、缶ビールを手に取りながら大きなため息を吐いた。
…言いたい事なら分かっている。