【完】傷だらけのプロポーズ
「大河さん、結婚がしたいんだって」
はぁ?!?!?!?!?!?! 俺だって15年前からお前と結婚したいんだけど?!?!?!?!
美麻は知らないかもしれないけど、就職をしてからは無駄遣いもせずに結婚資金を貯めているんだけど?!?!?!?
「早く温かい家庭を築きたいみたい。結構複雑な家庭環境で育ってきたから仕方がないのかもね」
ライフポイントはとっくにゼロになっている。
わなわなと震える拳に、目の縁が段々と熱くなっていく。 今にも泣きだしそうだ。
けれどふんぞり返ったまま、美麻を冷たく見下ろす。
「いや、ありえねぇって。 全然似合ってないじゃん。 まままままままさか、お前結城副社長と結婚とか考えてるの?」
俺の言葉に再びムッとした表情を見せる美麻。 …本当に可愛い。怒っても可愛い女なんて、この世に美麻だけだろう。
「うっさい、朝比奈。 馬鹿じゃないの?付き合ってもいないのに結婚なんて考えてないよ。そもそも結婚なんて誰とも考えた事ないし」