【完】傷だらけのプロポーズ

朝比奈は特別だ。
朝比奈のような友達は、もう絶対に出来ない。

なんだかんだ言いながらも私の気持ちを尊重してくれて、どんな時でも寄り添ってくれる。

恋人はこれからも出来るかもしれない。けれどこんな素敵な友達にはもう出会えないかもしれない。

『全然理解出来ないなあ。男女の友情なんて存在しないじゃんかね。 夏樹いいじゃん。付き合っちゃえばいいのに』

社会人になっても付き合いのある親友の原口(ハラグチ) 奈子(ナコ)は、高校時代から朝比奈と私の関係に疑問を抱いていた。

朝比奈の親友の卓と高校時代に付き合っていて、4人でずっと仲が良かった。 数年後卓と奈子は別れてしまったけど、今でも4人で飲んだりする。


私は朝比奈が好きだ。 けれど、近くにいすぎてその好きがどういう種類の好きかは自分でももう分からなかった。

男女の友情は存在する。 そうじゃなきゃ、15年も一緒にはいられない。 それに朝比奈は私に恋愛感情を持っていない。ずっと一緒にいたからこそ分かる。

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