カフェのイケメン君が私のウソ彼です
そもそも私が自分のことについて暴露しなければこんなことにはならなかった。浩くんが提案することもなかったから。


こうやって遡ると結局間違ったのは私なんだ。


「浩くん、今までありがとう。今のこの関係を解消しても私もう大丈夫。」


絶対に涙は見せないと決め、下を向いたまま言葉を絞り出す。言い終わると顔を上げて浩くんと目を合わせた。


顔を歪めて怒ったようにも見える。


なんでそんな顔するんだろう。
もう解放されるんだから、いっそのこと、晴れやかな顔でもしてくれたらいいのに。


「それってさ、結婚とかいろんな自由を諦めるってこと？」


「うん。ここまで頑張ったけど無理だったし。それに好きな人がいたって、両想いになれるなんて限らないでしょ。」


「好きな人がいるってこと？」


この質問には曖昧に笑うことしかできない。
否定はできない。だって確実に私の中には存在する気持ちがあるから。だけれど、あなたが好きです、なんてこの場で言えない。


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