カフェのイケメン君が私のウソ彼です
居酒屋を出てゆっくりと歩く。


車で来ていたはずの藤堂さんだが、車は取りこさせると言っていた。そういうところはセレブなんだなって思ったりもする。


「すみません。送ってもらってしまって。」


「送って、っていってもいつもこの公園までしか来てませんけどね。」


「それでもいつも来て下さるのでありがたいです。」


なんとなくお互い言葉が途切れた。


「潤さん」


少しの沈黙の後、名前を呼ばれる。
ジッと見つめてくるその瞳に少しだけ緊張する。


そっと近づき頭を撫でられる。たまにこの仕草をする藤堂さんを嫌いではない。


あぁ、もしかして私、キスされるのかな。
それでもいいような気がした。


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