カフェのイケメン君が私のウソ彼です

「浩くんにとって私がそういう対象じゃないんだろうなって思ってたから、言わないままだったんだ。だけど、やっぱりちゃんと伝えたくなっちゃった。」


「なんだよ、それ。」


そうだよね。
私の勝手に付き合わせて、勝手に終わらせて、勝手にまた会いに来たと思ったら、告白して。


自分で起こした行動だけれど、自分自身に『なんだよ、それ。』って言いたくなるくらい唐突な行動だと思う。


もう一度ごめんと口に出そうとしたとき、そっと腕を引かれ、浩くんの香りに包まれた。


「ずるい。本当に潤はずるいよ。」


私、浩くんに抱きしめられてる。
頭をポンポン撫でながら、ずるいと繰り返す。


なんでこんな状態になっているの？
ずるいってなにが？


疑問が沸き上がるけれど、それよりも、浩くんに包まれているという幸せがつのる。