カフェのイケメン君が私のウソ彼です
「潤、とりあえずここ出よう。」


私のからになったグラスを見て席を立った。


「潤の話、全部聞かせてもらったでしょ、最初の頃に。だから付き合うのだって、それなりに覚悟をもっていったんだからね。」


外を歩きながら話をする。


「ねぇ、それってさ」


結婚まで考えているって思ってもいいの?って聞こうとしたのに、浩くんに止められた。


「プロポーズとか言わないでよ。ちゃんとそれはそれでいつかはするから。でも、そういう気持ちがあるってことは覚えていて欲しいから。」


横を歩いている浩くんの顔を見ると赤かった。


嬉しい。ただただ嬉しい。


どうやったらそれが上手く伝わるかなんて分からないから、繋いでいた手をギュっと握った。浩くんも握り返してくれる。


ただそれだけのことなのに嬉しさが増していった。


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