カフェのイケメン君が私のウソ彼です
「そろそろ行こうか。」


少し早いけれど浩くんは落ち着かないみたいだし、とりあえず家を出ることにした。下田さんのことだから、約束の時間よりも早く来ているだろうしね。


「浩くんがオドオドしてるの普段見ないから面白い。」


「じゃあ、普段の僕ってなに?」


「なんかもっと余裕のある感じ。」


「そうなんだ?」


「そんな顔しなくても、誉め言葉だよ。」


なんともいえないビミョーな表情をしていた浩くんだけど、少しは緊張がほぐれたのか、笑ってくれた。


下田さんが来て、車に乗り込む。
少しだけ緊張しているのが隣に座っている私には見て取れる。もっと気軽にしてくれていいのに。


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