カフェのイケメン君が私のウソ彼です
「いらっしゃいませ。」


遠藤さんに出迎えられ、奥の部屋に案内された。


普段は出迎えなどしないであろう遠藤さんがなぜ私ごときに表へ出てきているのか疑問だ。


大方、悪魔のことを蔑ろにはできないからだろうけど。


さっきまで緊張していた浩くんもいつの間にかお店にいるときのような笑顔を浮かべ対応している。


予想通り悪魔は来ていなくて遠藤さんも退出したため、私たち2人だけになった。


「浩くん、あんなに緊張するって言ってたのに、もう大丈夫みたいじゃん。折角面白かったのに。」


「そんなことないって。うわぁ、ヤバイ。緊張しすぎなんだけど。マジでこういう時仕事やっててよかったって思うよね。ちゃんと笑えるから。」


一気に家にいた状態に戻る。
その切り替えがすごい。私だけに見せてくれる表情なのかな、なんて思いたくなる。


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