カフェのイケメン君が私のウソ彼です

幸せ

悪魔の急な態度の変化についていけない。


謝罪をされてもすぐに受け入れられるのものではなかった。


私が我慢して抵抗してきた時間は何だったのかな。
その時間が無駄だというのなら私の今までの人生を否定されたようなものだ。


悪魔を恨むことだけで生きてきたようだった。
でも実は私のことを考えてくれていた。


なにに恨みをぶつけ、なにを目標としてこれから生きていけばいいのかな。


折角、完全なる自由を手に入れたはずなのに、これからが一瞬にして見えなくなった。


ずっと同じことをグルグル考えている。
だけれど、私は悪魔を、父を受け入れたいのかどうかもよく分からない。


「…ん、潤」


「あ、なに。」


浩くんに何度も名前を呼ばれていたのに気づかなかったみたい。最近、悪魔のことを考えているとよくそうなる。


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