カフェのイケメン君が私のウソ彼です

「大丈夫？またお父さんのこと考えてたの？」


「うん、まあね。」


「なにが不安？」


「不安？」


私は今不安なの？
そんなはずはない。だって自由を手に入れたんだよ？
これからは私がなにをしようとも誰にも咎められることはない。


「急に明日が見えなくなるって不安じゃない？僕だったら不安だけどね。」


私の横に腰を下ろすとそっと私を抱き込むようにして頭を撫でてくれる。


そして優しく語りかけるように言葉を紡ぎ始めた。


「今までどうやってお父さんから与えられたものを越していくか考えていたでしょ。でもその指針がなくなった。これからしたいことってある？」


自由ってなにをやってもいいけれど、やることがないってことでもあるのかな。