カフェのイケメン君が私のウソ彼です
私はなんでこんなにあらがっていたのだろう。
なんのために自由を求めていたのだろう。


私の手に入れた残りの人生の時間でなにをしたくて、なにをすればいいのだろう。


考えれば考えるほど混乱し、分からなくなる。


潤、と名前を呼ばれ顔を浩くんの方に向ける。


「難しく考えすぎ。」


笑いながら私の頬に手を当てた。


知らぬ間に流れ出た涙をぬぐってくれたのだ。


浩くんの笑顔につられて口角を上げる。
それでも涙が流れてくる。


「なに急に笑ってんの。」


「うん。」


「ゆっくりでいいじゃん。やりたいこと、探していこう?」


「うん。」


泣き笑いをしている私は声もガラガラ、顔もぐちゃぐちゃ。
言葉につまってうん、としか返事が出来ない。
なんの涙かも分からないが、止めることができない。


それなのに浩くんが温かい笑顔で私を受け入れてくれるから私も笑っていられる。

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