カフェのイケメン君が私のウソ彼です
「1年後には私の状況は違ったらどうするんですか。」


私の最後の悪あがきを聞いているのか、聞いていないのか、話している途中で切られてしまった。


電話からは機械音が漏れている。


約束まであと1年ってことは今日は私の誕生日なんだ。


私の自由もあと1年。


なんてつまらない人生なんだろう。
逃げまわっても逃げきれない。
悪魔の手の上で転がされているだけ。


怒りも悲しみも湧きあがらない。
ただただ自分の中が空っぽになっていくようだった。

< 20 / 187 >

この作品をシェア

pagetop