カフェのイケメン君が私のウソ彼です
その日は朝から仕事が散々だった。


大詰めを迎えていた仕事で資料の不備が見つかり、午前中はその修正に追われた。


午後からの外回りで、先輩の助手としてついていった取引先との商談でもミスをした。


そんなごたごたした1日を何とかやりきって、その鬱憤をはらすように居酒屋でやけ酒をしながら、先輩に慰めてもらった。


1軒目を出ると、重い雨雲が夜空を覆っている。
天気予報でも夜には雨が降るって言ってたかも。


先輩は雨が降る前に帰ると言ったため、解散となった。


1人になると、気分が沈んできてウジウジし始める。
このまま家に帰りたくないな。


1人のときに行くのはあそこしかない。
目的地が決まると進む足取りも軽やかになる。

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