カフェのイケメン君が私のウソ彼です

「大丈夫ですよ。今日、僕は休みなんです。他の従業員で回しているので。」


「プライベートにしては荷物がいっぱいですね。」


両手に抱えるくらいの荷物を持っていた。
1人暮らしにしては多すぎるだろう。
意外にだれかと一緒に暮らしていたりして。


一瞬、キョトンとした表情になる。
でも自分の荷物を見て笑い、あぁこれ、とつぶやいた。


「今度カフェで出す新商品の試作中なんです。」


私の考えを読んだかのような宮くんの発言に恥ずかしくなって顔を伏せる。


私の思っていること、そんなに顔に出てたのかな。
顔がかすかに熱を帯びているのが自分でも分かる。


可愛いですね、なんてさらに茶化されるからたまったもんじゃない。


「み、み、宮くん、お店用だったら早く食品持って帰ったほうが…」


ちょっとだけ焦って言葉を返すと、どもってしまった。