カフェのイケメン君が私のウソ彼です
あ、やばい。
だいぶ酔いがまわってきたな。
前の店でも結構な量を飲んでいたのかもしれない。


瞼が重くなってきたのを感じる。
これを飲み終わったらもう帰ろう。


そう思いながらもゆっくりと手元の酒を楽しむ


なんとなく私がいつも座る席に目を向けた。
窓際の外向きカウンターの1番はじ。


私がいつも座る席だ。
そして今日もだれも座っていない。


窓に雨が打ちつけるように降っているのが遠目からでも分かる。


いつのまに降り出していたんだろう。
傘なんて今日持って来てたっけ?
多分ないよな。
そもそも終電に間に合うのかな。


頭のなかでごちゃごちゃと帰りのことについて考えてみたものの、どうにでもなる、という結論に至り、考えることを放棄した。


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