カフェのイケメン君が私のウソ彼です
自分がいらない存在であるということ。


一緒に過ごす時間は今では皆無だ。
だけど私には裕福な暮らしを与えられていた。
これを愛情だと勘違いしていた。
ただ体裁を気にしてのことだったんだ。


名前が自分のために与えられたものではないこと。


男の子っぽい名前は幼い時はいじられた。


母がいつか話していた名前の由来は嘘なのかな。
親の願いがこもっていればそれでよかったのに。


この時から私は自分の名前が嫌いになった。


父が私に素っ気ないのはきっと私が女であるから。


そこからどうしたのかはあまり覚えていない。


数日後、母と父が離婚をすること、私は父方に引き取られることを母の口からきいた。


そして、母は自分の荷物を全て持って家を出ていった。


すっきりとした表情の母をどこか冷めた気持ちで眺めていた。


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