カフェのイケメン君が私のウソ彼です
母がいてもいなくても私の生活には関係ない。
家には私とサチさんしかいないんだもの。


私にはなんの影響もない。その考えは間違いだったけれど。


父は私に経営や英語といった会社に必要な知識を本格的に学ばせ始めた。


この頃から父をもはや父とは思えなかった。
顔を合わせることもほとんどない。


父が私に言うのは習い事や成績のことばかり。
他のことで口を開くことはなかった。


次々に要求を並べる父はまるで悪魔だ。


父についてパーティーにも出席するようになった。


けれどその場の雰囲気に慣れることはない。
顔には笑みを張り付けて立っている。
それは苦痛でならなかった。


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