カフェのイケメン君が私のウソ彼です

恋人

「それで、今日もホテルで会食してきたんですよね。」


話をしている間、あまり宮くんの方を見ることができなかった。


反応を見ることが怖かった。
同情してほしいわけではない。
でも悪魔の言いなりになっていることを軽蔑されたくはなかった。


自分でもどういう反応をしてほしいのか分からない。


視線を上げると宮くんと目があった。


「話を聞かせてくれてありがとうございました。」


「すみません、こんな話聞かせてしまって。」


優しい表情のまま話かけてくれる。
だから私もいつものように返事をすることができた。


「ちょっと待っていてください。」


奥に入っていく宮くんの後ろ姿を眺める。


< 59 / 187 >

この作品をシェア

pagetop