カフェのイケメン君が私のウソ彼です
グラスに少し残っている赤い液体をボーっと見つめる。


もう眠気がピークまで来ている。


残っていたワインを全部口に含んだ。
はやく席を立たなきゃここで寝てしまう。


だけど最後の一口を味わうようにゆっくりと喉を通す。


最後の一滴を飲み干したのが合図かのように、私の意志とは反して、その場に突っ伏してしまった。


「……さん、お客さん。大丈夫ですか。」


声を掛けられ急いで顔を上げる。


やらかした。
私、寝ちゃったんだ。


その様子を見た店員さんは、良かった、と言うと目の前にコップを置く。


「どうぞ、お水です。」


綺麗な笑顔の店員さんだな。

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