カフェのイケメン君が私のウソ彼です
向かい側の宮くんを盗み見る。
同じサラダを食べている。


何の話をしていいのか迷っていた。
話は聞いてもらったし、もう帰ったほうがいい気もする。


先に口を開いたのは宮くんだった。


「ミズキさんが食べ終わったら話、しますね。」


私の皿にも後少しのレタスだけが残っている。
それをフォークで集め口に入れた。


「急がなくてもいいのに。ゆっくり食べたてください。」


笑いながら声をかけてくれた。


ちゃんと味わってから呑み込んで、返事をする。


私のグラスは新しくなっていた。
氷が解けた水だけのグラスといつの間に交換してくれたんだろう?


そういう気遣いができる宮くんはすごい。
もう一度、お礼を言って口に含んだ。

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